チャーチルが現代を切る

20世紀の英宰相ウィンストン・チャーチルの思想から現代内外情勢を評す

なぜ、ビールをジョッキで飲むんですか?  日本に持ちこまれたのは江戸時代

チャーチルからのメッセージ   変化の時代を生きる

   


     読者の皆さんのなかに、お酒が大好きな人がいると思います。私自身はお酒は強くなく、現役時代は付き合い程度でした。現在は週一ぐらい小さなボトルワインを飲んでいます。

 かつてのお酒好きな社の仲間のなかには、日本酒以外には飲まない同僚とか、ウィスキー好きな人もいました。ワイン党、ビール党もいましたし、何でも来い、という友人もいました。

 飲み始めるときは、決まってビールでした。私は、あえて言えば、ビール党です。日本でビールといえば500mlのジョッキで飲むのが当たり前になっています。ちょっと調べましたら、これにはビールの本場であるドイツが関係しているんですね。

 日本にビールが伝わったのは江戸時代の中期です。ご存知のように、当時、幕府は鎖国を敷いていましたが、清帝国(中国)とオランダとは貿易をしていました。

 ビールを持ち込んだのはオランダ人です。長崎の出島に運び入れました。しかし、当時の日本人はほとんどビールを飲んでいませんでした。飲んでいたのはオランダ人や、オランダ船に乗船してきた欧州人でした。彼らはジョッキで飲んでいました。

 日本人がビールをジョッキで飲むようになったのは明治時代になってからで、ドイツからの影響でした。当時、日本はドイツを手本にして近代国家を目指していました。多くの日本人は医学を学ぶため、ドイツに留学しました。

 その留学生のなかの連中が現地のビアホールを訪れ、1Lの取っ手つきジョッキで豪快にビールを飲むドイツ人を目撃。これが「本場の飲み方かなのか」と感動しました。

 ビール好きなドイツ人は、ワインのように、いちいち小さいグラスに入れておかわりするのが面倒くさく、1Lの大きなジョッキを使用しました。

 このドイツの慣行を日本の留学生が日本に伝えましたが、ひとつ問題がありました。明治時代の日本人の体格は小柄でした。男性の平均身長は約157センチで、平均体重は約50kg。女性の平均身長は約147cmで、体重は約47kgでした。

 小柄な日本人にとって1Lジョッキは大きすぎました。ドイツでは1Lジョッキが主流でしたが、500mlジョッキも使われていました。そこで日本人は体のサイズに合った500mlジョッキで飲むことにしたんです。

 ちなみに、ジョッキは和製英語で、「水差し」を意味するジャグ(jug)が訛ってできた言葉といわれています。ジョッキに相当する英語単語は「mug(マグ)」であり、ドイツ語では「Krug(クルーク)」です。ドイツやイギリスのビアホールの行き、ウェーターやウェートレスにジョッキと言っても通じません。くれぐれご注意あれ!