チャーチルが現代を切る

20世紀の英宰相ウィンストン・チャーチルの思想から現代内外情勢を評す

運転マナーの最悪の県はどこ?     「あおり運転」をしないために何をするか

チャーチルからのメッセージ   変化の時代を生きる


 神奈川県大井町での東名高速道路の事故は悲惨だった。事件と呼んでもよい事故だった。亡くなった萩山嘉久さんと妻、それに娘さん2人の家庭が壊れた。壊したのは石橋和歩容疑者だが、彼も人生を自ら壊した。彼が一時的にカッとなっても、「やせ我慢」すれば何事も起こらなかった。
 私を含めて人間は感情の動物だ。だから運転中に私もカッとなることがある。それが致し方ないが、それをどうコントロールするか、がわれわれに問われている。これをチャーチルは「寛容」と述べている。
 怒りをコントロールする心理トレーニングの専門家、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんは「カッとなったら『6秒待つ』」ことを勧めている。怒りのピークは長くて6秒程度とされ、数を数えたり、深呼吸したりしてやりすごす」。朝日新聞のインタビューに安藤さんはこう答える。
 安藤さんは、まず、「自分の運転に自信がある人は要注意」と指摘する。ほかのドライバーを未熟と考えがちで、車線変更のタイミングが自分と違うなど、ささいなことで怒りをつのらせてしまうという。さらに、車特有の「匿名性」が火に油を注ぐ。「ナンバーだけでは、その場では身元が相手に分からないので、感情抑制がききにくい」。安藤さんを取材した朝日新聞の記者はこう書いている。
 運転中の私を振り返れば、確かに「危険な運転」をしているドライバーを見ると怒りがこみ上げてくる。つまり自分と同じ運転をしていないことが原因なのだろう。もう少し寛容な精神が必要なのかもしれない。
 現在、半導体大手のルネサンスエレクトロニクスが人工知能(AI)を活用して、ドライバーの感情を読み取り、安全運転を促す技術開発に取り組んでいるという。車載カメラやマイクでドライバーの声を読み取り、「落ち着いてください」などとアドバイスする。
 このアドバイスが人間なら、さらにカッとなり、「うるさい」などと怒鳴って逆効果かもしれないが、AIのアドバイスは人間の心理に冷静な感情を呼び起こすかもしれない。人間は素直に聞くかもしれない。
 私は自分が住む栃木県のドライバーの運転の悪さとモラルの欠如に閉口して、このブログにも栃木県のドライバーについて書いている。「危険運転」があまりにも多いと感じているからだ。しかし運転マナーの最悪県はどうも栃木県ではないらしい。
  JAFが2016年、ドライバー自身が住んでいる都道府県の交通マナーについての調査をした。ユーザーの回答が興味深い。
 「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」は 86.2%が「思う」か「やや思う」とし「方向指示器(ウインカー)を出さずに車線変更や右左折する車が多い」は77.1%1が「思う」と「やや思う」と回答する。
 マナーが「悪い」「とても悪い」と回答した人の割合は①香川80.0%②徳島73.5%③茨城67.2%④沖縄64.0%・・・⑪石川50.6%⑫栃木50.3%・・・㊶東京20.7%と続く。ちなみにマナーの一番良い県は島根県で、交通事故発生率も全国最下位という。
 この調査はドライバーの自己申告というか、自分の県のドライバーに対する印象なので、正確な数字とは言い難い。この調査を題材にSNS配信型ウェブメディア「Citrus」に寄稿した自動車記者の加藤久美子さんはこう語る。
 「『都会のドライバーは紳士的』ということ。特に平日の都会ドライバーは、車通勤は少なめで、営業車や輸送車などプロが運転しているケースが多い。混雑した都会の道を走るプロドライバーとしての自覚ができているんだろうなあ。自分のことだけではない、常に周囲の交通との調和を考えて運転しているように思う。運転が下手なのに、プライドだけは高いサンデードライバーのように『道を譲る=負け』みたいな、感覚は皆無だ。混んだ道路でも車線変更の意思表示をすれば、するっと入れてくれる。交通の流れをかき乱すことはない」
 私も約5~6年間、環八や246号線など都心や横浜の道路を運転した。この地のドライバーと比較するが、加藤さんに同感だ。何よりも相手に道を譲ろうとする気持ちがあり、予測運転に長けている。これは人の多い都市と少ない中小都市や田舎との違いからきているのだろう。つまり、人口の多い都会では、ドライバーは歩行者と共存しなければ運転できない。右折、左折時、必ず歩行者が横断している。これに対して、小さな市町村では、めったに横断する歩行者を見かけない。当然ながら、ドライバーは歩行者に配慮せずに右折、左折する。
 この差は大変大きいと思った。いつの間にか、都会のドライバーの運転技術と先を読む力は鍛えられるが、地方の市町村では、そうはいかないだろう。

 加藤さんのブログを覗きたい方は下記をご覧ください。
  https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e9%81%8b%e8%bb%a2%e3%83%9e%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%81%ae%e6%82%aa%e3%81%95%e3%81%a8%e4%ba%a4%e9%80%9a%e4%ba%8b%e6%95%85%e7%99%ba%e7%94%9f%e7%8e%87%e3%81%af%e6%af%94%e4%be%8b%e3%81%99%e3%82%8b-%e5%9b%bd%e5%86%85%e3%81%a7%e6%9c%80%e6%82%aa%e3%81%aa%e7%9c%8c%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%93%ef%bc%9f/ar-AAuiMVJ?ocid=FUJITSUDHP15#page=2